靴磨きのやり方をプロが解説 〜クリーナーの選び方〜
いろんなクリーナーながありますが、大きく分けると
・水性
・液体(アルコール入り)
・乳化性(練り状)
・フォーム状(ムースみたいなやつ)
ぐらいでしょうか
プロとしてのオススメは水性クリーナーです。
まずクリーナーの目的は汚れを落とすことですが、最も落としたい汚れは「これまで塗っている古いクリーム」です
というのも、今回使用したクリームは次回に磨く際には「革にしみ込んだ汚れ」になっています
これをしっかり落とすのが非常に大事で、これって実はスキンケアと同じ考え方なんです
「いやいや歩いてたらもっといろんな汚れが付くだろ」
という声もありそうですが、履いてるときにつく汚れってホコリとか水はねとか程度で、それぐらいを落とす性能はすべてのクリーナーに備わっています
つまり、それらの汚れについては改めて考える必要もないんです
※それ以外のコールタール、油、薬品などはプロに任せましょう
それより問題なのは革にしみ込んだ古いクリームです
「革」とは実は目に見えないレベルの「繊維」なので、その細かな隙間で通気性を保っています
そこにクリームが入り込み「蓄積」されると繊維の目が詰まってしまい、通気性がなくなってしまうんですね
その結果ひび割れてしまいます
だからお手入れをする際には、革にしみ込んだ古いクリームをキチンと落として、通気性を復活させられるクリーナーを使うべきなんです
それが水性のクリーナーになります
アルコール入りの液体クリーナーでも落ちるのですが、頻繁に使うには刺激が強すぎる気がします
ご自身の皮膚で考えてください
アルコールでスースーするような溶剤で頻繁にこすると、肌荒れしそうじゃないですか?
それと同じだと思うんです
※アルコール入りかどうかは手に付けてみればすぐわかります
乳化性やフォーム状は、だいたい「革を光らせる成分」が入っていることが多く、リンスインシャンプーのように「洗浄力もツヤ出しも中途半端」という印象です
そうではなく
「汚れを落とすときはしっかり落とす」
「磨くときは潤いを与えてしっかり磨く」
という風にメリハリが大事です
そう考えると
「革内部にしみ込んだ汚れを取り」
「刺激物がほとんど入っていない」
水性のクリーナーが最適ということになるんです
ちなみに水性のクリーナーで革を拭くと、しみ込んだクリームが取れて布がどんどん汚れますが、そのうち革の染料まで落ちてきて「何度拭いても布が汚れる」という「止め時がわからない状態」になります
このへんは布の色づき具合を見ながら、経験で覚えていくしかありません
まあそれもレベルアップに必要な工程ってことでしょう
まとめると
・落とすべきべき汚れは前回塗った古いクリーム
・そのために使うべきクリーナーは水性
・どれぐらい落とすかは経験で見極める
って感じですね
現場からは以上でーす
次回はブラシについて書こうかな