靴磨きのやり方をプロが解説 クリームについて 〜容量編〜
いろんなクリームがありますが、選び方で大事なのは「使い切れる容量」のものを選択することです
ビン入りタイプはキチンとふたを閉めていればそうそう乾燥しませんが、10年単位で見るとやはり油分が抜けてカチカチ固まってしまいます
チューブ入りは溶剤自体が柔らかいのでそう簡単には硬化しませんが、塗布用のスポンジが経年劣化してボロボロに崩れます
固くなったクリームはお湯などで伸ばせば柔らかくなりますが、各成分のバランスが崩れますのであまりお勧めはできません
あくまで自己責任での使用になりますので、練習用の靴で試してみて「問題なさそうだしいいかな?」ぐらいの感じです
チューブのスポンジ劣化は避けられないので「スポンジが崩れてもふたの開け閉めができる」商品を買うのがポイントです
そうすれば歯磨き粉のように「チューブ入りのクリーム」として使用することが可能です
スポンジ自体がふたの「受け」の役割をしていると、崩れた際にふたが閉められずに相当メンドクサイ!
百均で別容器を買ってきて移し替えれば使えますが、まあまあメンドクサイので出来ればやりたくないですよね
また、スポンジにカビが生えることもあるので(防カビ成分が入ってるのに!)やはりある程度の年数で使い切れるものを選ぶのが得策だと思います
「じゃあどれぐらいの容量がベストなの?」
という疑問を解消するためにカンタンな計算方法を記載しておきます
ビン入りのクリームでの計算ですが・・
靴磨きで一度に使うクリームの量は「靴片足に対して米2~3粒ぐらい」で充分です
つまり1足両足で5粒程度になります
※それ以上使ってもムダな浪費という意味です
一般的な瓶入りのクリームは50mlが多いので、これをお米に換算するとザックリ米1合の4分の1ぐらいになります
米1合が6500粒ぐらいなので、その4分の1ですから「1600粒ぐらい」ということになり、
一度の靴磨きで5粒使用するので・・・
1600÷5=320足
1瓶で320足程度磨けることになります
例えば3足ローテーションで履いてて月一で磨くとしたら、年間に磨くのは36足ということになります
ということは、その容量を使い切るのは
320×36=8.88
約9年弱ですね
これぐらいキッチリ磨くなら、50mlでもOKということになります
まあ実際は一度の使用量がもっと多い(ムダに浪費してる)人がほとんどなので、2倍早く消費するとしても4~5年です
それなら充分使い切れそうですね
ただこれは「すべて同じ色の靴」と仮定した場合なので、実際は黒、こげ茶、キャメル、バーガンディ・・など、いろんな色を持っているでしょう
そうなると1種類のクリームが減るスピードはもっと遅くなります
なので結論としては
黒は足数も多いでしょうから、50ml程度でもOK
その他の色は「なるべく容量の少ないクリームを選ぶ」のがベストだと思います
チューブ入りはもう少し容量が多くて75mlぐらいが一般的です
これはチューブから出すためにクリームを柔らかくしているためで、そのぶん成分の密度が低くなっているんだと思います
なので一度に使う量はビン入りよりも多くなり、使い切るまでの使用回数はだいたい同じぐらいになるんじゃないでしょうか?
商品の容量ってそうやって決めているはずです
あとクリームを乾燥させない対策としては、ジップロックに入れておくのもいいと思います
ですが、キチンと口を閉めないと意味がないし、気をつけていてもクリームが袋の内側に付着して出し入れするだけで手が汚れたりして、まあまあ鬱陶しかったりします
そう考えると少し大きめの「完全密封できるタッパー」なんかがいいかもしれませんね
まとめると
・クリームは使い切れる容量を選ぶ
・もしくは「固くなったら捨てる」と割り切る
・乾燥させないようにな保管方法も有効
って感じです
現場からは以上でーす
次は磨く頻度について書こうかな