靴磨きとお手入れの違いについて専門家として説明します
本来は単なる「言い方の違い」のような気がしますが、当サイトでは明確に分けて考えています
・磨き・・・クリームや靴墨で光らせること≒お化粧のような位置づけ
・お手入れ・・・クリーナーで古いクリームを落としてコンディションを整えること≒スキンケア的な位置づけ
といったイメージです
だから磨きだけやってると革がヒビ割れるんですね
元々は「靴磨き」というとコンディションを整える意味合いも含んでいたハズですが、かつて昭和の頃には駅や路上に靴磨き人がいて、そこで磨いてもらうのが靴磨きのイメージになった結果「靴磨き=光らせる」ことになったんじゃないでしょうか?
あの方たちの仕事は「素早く光らせる」ことなので、しっかり汚れを落としてるヒマなんてありません
「サッと拭いて、サッと磨いて、ピカッと光らせる」
そうやって「靴磨きとは光らせること」という間違ったイメージが定着していったように感じます
でもこれって、お肌でいうと「メイクしかしない」、髪の毛なら「整髪料しか使わない」状態です
洗顔や保湿、洗髪や頭皮ケアがどれだけ大事かなんて、ここで書くまでもありません
でもこれが靴のことになると、なぜか途端にわからなくなっちゃう方が多いようです
(なぜか?はそのうち書きます)
靴の現場にいると
「やっぱり靴って磨いたほうがいいんですか?」
なんて言われることがあります
これって
「歯って磨いたほうがいいんですか?」
「お風呂って入ったほうがいいんですか?」
というレベルの質問です
1〜2シーズンで使い捨てる靴ならそれでもいいのですが、大事に履いていくならお手入れは必須!
まずは意識を切り替えるのがスタートかなー、と日頃から感じています
メンドウならお手入れのプロに丸投げでもいいと思いますよ
まとめると
・靴磨きとは光らせることで、これだけやっててもダメ
・お手入れで革のコンディションを整える
・両者の違いをきちんと理解しないと革がすぐダメになる
って感じです
現場からは以上でーす