靴の買い方、選び方 〜5千円の靴はやっぱり5千円の靴でしかない〜
紳士靴の雑誌やネットでインタビュー記事などを読んでいると
「5000円の靴でも足に合っていれば、5万円の靴かそれ以上の価値がある」
なんてのを見かけることがあります
だから
「大事にしましょう」
「キチンとメンテナンスしましょう」
と締められることがほとんどです
これってその通りなんだけど、本当はその続きがあるんです
その本音の部分を解説しますね
それは
「とは言ってもやはり安価な靴、長持ちはしないですよ」
「せいぜい1〜2シーズン、上手くいけば3シーズン保つかもしれません」
「そのつもりでメンテナンス費を考えてね」
といった感じです
理由はカンタンで、安い靴は安価な素材でできているからです
本来、全てのパーツを革で作るのが革靴です
でもそれをすると紳士靴なら定価20000円ぐらいになってしまう
それを5000円にするには「できるだけ革を使用しない」しか、方法がありません
それが自社ブランドのPB商品であっても、です
※セールで安くなっている靴はこの限りではありません
ソールに始まり、ヒール、中敷き、中底、アッパーに至るまで、それぞれを合成素材に置き換えてコストダウンを図っていますが、そういった合成素材は経年劣化でダメになるので10年単位で履くのは難しい。
そこが洋服とは大きく違うところです
ずっと履かずにいた靴を出してみるとボロボロに崩れている・・
なんて経験がある人も多いのでは?
そうなってしまうことを前提に、履き方やメンテナンス費を考えるのがよさそうです
もちろん気に入っている靴を大事にするのは素晴らしいことです
でもその労力、金額に見合った対価が得られるか?
数千円のメンテナンス費をかけるなら、買い換えるほうが合理的では?
なんてことを踏まえた上で決めたほうがいいかもしれません
※ちなみに安価な靴は履かなくても寿命を迎えるので、気に入ってるからといって同じものの買いだめは危険です
冒頭の「5万円の靴よりも価値がある」というのはあくまでセールストークで、「だから当店でメンテナンスしてね」と言ってるに過ぎません
それを鵜呑みにするより、その靴の価値を「自分で決める」ほうが合理的です
まとめると
・セールストークを鵜呑みにしない
・安価な靴は消耗品と割り切る
・価値は自分で決める
ってとこかな?
その靴に合った履き方をしたいですね
現場からは以上でーす